2015年5月19日地域別のがん罹患率について
~ 国立がん研究センターがデータを公表 ~
国立がん研究センターは、2011年に39都道府県において、新たにがんと診断された約85万人分のデータを解析し、胃がんや大腸がん等7種類のがんに対して、地域別の罹患率等を公表した。
当解析結果では、胃がんの罹患は秋田や山形、新潟、島根等、日本海側の多くの地域で男女共に全国平均よりも高い傾向が認められた。胃がんは、ピロリ菌の感染と塩分摂取量の多さが発症因子と言われており、比較的塩分摂取量の多い地域において罹患率が高くなる傾向が示唆された。
また、肝臓がんでは、兵庫や徳島などの西日本で高い罹患率を認め、肺がんでは北海道や西日本等、喫煙者の割合が多い地域で高い罹患率を認めた。その他、大腸がんの罹患は北海道や東北、山陰地方で高い傾向を認めたが、乳房や子宮、前立腺がんでは、顕著な地域差は認めなかった。
今後、2016年よりがん患者情報の登録が法律で義務付けられるため、罹患率やがんの種類と地域による食事習慣や喫煙率の関係等、より細かい解析が可能となる。さらに、都道府県ごとのがん対策の成果や、課題を把握することにも繋がるため、より効果的な施策に期待が寄せられている。
<ご参考>
国立がん研究センター プレスリリース
http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20150326.html